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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第9章 『茂木純二と真奈美』
宝物のワンピースをキャリーバックに戻して。
そのキャリーバックの中に4℃の箱が見えた。
これは…純二おじさんが亡くなった後に、
通称親父のヤリ部屋の仮眠室の整理をしてた時に。
仁さんが、段ボール箱の中に無造作に入れられた
沢山同じ4℃のネックレスがあるのを見つけて。
親父は誰に何あげたか分からなくなるから、
毎年クリスマスにばら撒くの決めてたからね~と。
仁さんは4℃を喜ぶ年齢の
若い女の子には興味ないから、
同じのばっかり沢山あるし
真奈美ちゃんに1つあげる~と
実家から送って来た
りんごみたいなノリでくれた物だ。
残りは…質屋に持って行ったらしいけど…。
仁さんからすれば…、
どうでもいい物だったみたいだけど。
私にすれば…、家に来ていたおじさん達とも
施設の職員さんがくれた贈り物とも
違う…意味がある…贈り物で…。
あのワンピースと…同じ…、真奈美の宝物だ。
キャリーバックの蓋を閉めると、
はぁ~と真奈美はため息をついた。
「シャワーしよ…っと」
後付けで付けられたシャワーがあるから、
家が無くても生活が出来てる。
私がお給料が貰えて、純二おじさんとの
思い出のあるここで仕事が出来るなら。
お給料でネカフェで寝泊まりすると言ったのだが。
ネカフェ難民みたいな事させられないし、
ネカフェ売春みたいな事されても困るから、
住む場所が決まるまでここに居ていいよ。