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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第13章 『夫婦円満本舗の慰安旅行』
『ありがとう、真奈美ちゃん。
風呂上がりで喉乾いてたから…頂くよ』
真奈美の手から仁が
水が入った紙コップを受け取って。
その時に…軽く…指先が触れてしまって。
バッ…と…真奈美が急いで
反射的に自分の手を引っ込めた。
渡した紙コップの水を飲みながら、
仁さんが不思議そうな顔をして
…こっちを見て居たのだが。
そりゃあ…この前…、あんな事を
本舗で…して欲しいとこっちから言って
して貰って置いて……手と手が
軽く触れ合ったぐらいで、
何を……過剰反応…してるんだ…って話。
そんな風に過剰反応を、
してしまっているのは…、真奈美が…。
「仁さん…、その…
今日は…色々と…真奈美の為に、
あ、ありがとうございました…」
『何?どうしたの?真奈美ちゃん、
急にそんな改まったりしちゃってさ』
「いえ…さっきのお風呂も
お部屋も凄いいい場所を、
仁さんが用意してくれたので…。
そのお礼が言いたかっただけです…」
『部屋関しては、
…僕がどうこうじゃなくって
偶々平日だったからこっちの旅館側が
気を遣ってくれたってだけの話だからね?
ここの旅館ってテレビCMしてるでしょ?
だから、新しい大浴場が
出来てるって知ってたからさ。
前々から僕も、泊まってみたいなって
思ってた…旅館だし。温泉旅館こそ
一人で来る様な場所でもないでしょ?』