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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第13章 『夫婦円満本舗の慰安旅行』
「何ですかッ、これっ、仁さんっ。
すき焼きッ、滅茶苦茶美味しいんですけど?
何が、どうなってるんですか?仁さんッ??
真奈美に、分かる様に説明して下さいよッ」
『いや、何って、今ずっと
真奈美ちゃんそこから、見てたでしょ?
ここの大皿にあったお肉を、仁さんが
すき焼きにしただけだよ?真奈美ちゃん』
そう言ってる間に、仁が白菜の芯や
白ネギを鍋に加えて行って居て。
「仁さん…これは…入れないんですか?」
『春菊は…一番最後ね?まずは…白菜の芯と
白ネギから水分が出てくるのを待たないとね』
そう言って、すき焼きの鍋の中を見ていると。
割り下と入れた野菜の水分が混じって行って
最初よりも割り下が薄まった感じがする。
そこに糸こんにゃくや、豆腐や麩と椎茸を加えて。
自分が飲んでいた、地酒のお酒を
その中に足して濃度を調整していて。
『関西風のすき焼きは水は加えないからね、
こうして、味が濃くなりそうだったら酒で割る。
お肉は…火が入り過ぎちゃうと、
硬くなちゃうから、どんどん食べてね?
最初にあったお肉食べて、
空いたスペースに次の肉を入れたらいいからさ』
そう言って手を合わせて、
自分の小鉢の真奈美に溶いて貰った卵に
すき焼きの肉をくぐらせて口に運んでいて。