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第16章 『元カノからの依頼』

小町が僕に話したいって言う
話の内容は、大体予想はついてたけど。

『旦那さんとは…どう？
あれから、上手く行ったの？』

「ああ、仁、そのお礼を
今日はお前に報告しに来た…
みたいな物…だからな。
…お前に…ああ言われた翌日にな…、
フレンチのレストランを予約したんだ。
誕生日でも、結婚記念日でも無かったから
あっちは驚いてたみたいだったがな…。
夜景の見える…高層階の部屋もとったんだ…。
私とそうする…のが…難しいなら。
しようと思わなくていいから、
肌を合わせて眠るだけでいいって…その…」

『あ～、はいはい…。もう…
その顔で…僕はお腹が一杯だよ…』

「その…、色々と…理由をつけて
言い訳ばかりして…彼と…主人と…
私は向き合えて無かったんだな…って…。
私も…改めて気が付いた…んだ。
それに、彼が…ホテルのベッドの中で
裸で抱き合ってる時にな。
自分の隣に…今までこんな素敵な
女性が居て、自分の妻だったのに…
自分は…どうして…、余所見ばかりして。
隣を見なかったんだろうって…
主人が私に、言ってくれたんだ」