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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第17章 『仁さんの退院と前嶋からの依頼』
「すいません、茂木さん。
退院されたばかりの所に、
今日は突然お邪魔してしまいまして」
…そう申し訳なさそうにしながらも
思い詰めた様子で、前嶋が
話を自分からこっちに切り出して来て。
『昨日…、浅羽さんの方から
ある程度は…前嶋さんについての、
話をお伺いしているのですが…。
直接お聞きした訳ではなくて。
また聞きの話なので、
もう一度ご依頼内容を…
ご確認させて頂きませんでしょうか?』
「はい…、分かりました…。
そうですね…、あれは…確か…」
事の始まりは…、
今からかれこれ10ヶ月ほど前に遡る。
今日相談に来ている、
この30歳の前嶋と言う男性には、
当時27歳の婚約者がいたのだそうだ。
予定通りならば、
先月にはその婚約者の女性と
結婚式を挙げていたと言う話になって居た。
式場も決まっていて、ドレスも
選んでいたのだと言う話だった。
だが、実際は彼はその婚約者の
女性とは結婚をする処か
婚約破棄の形になって彼女との
結婚が破綻しただけでなく、
交際その物が破綻してしまったと言う。
とある女性が…原因になって…だ。