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第17章 『仁さんの退院と前嶋からの依頼』

DNA鑑定を実施して、
自分の子であると確定するならと、
森園にその辺りを問い詰めた様だが。
森園は小林との間の子供だと
言い張って聞かなかったようだ。

今まで、彼が彼女に
心酔して尽くしていた様だから
その彼の態度の急変は
彼女も想定外だったんだろうな…。


ふと、森園美海をロマンス依存症と

仮定して推測している内に、

ある…１つの…

イレギュラーの存在に気が付いた。


『そう言えば…さ、真奈美ちゃん。
森園の所にさ、色んな男が
出入りしてる…って言ってたけど。
ずっと…定期的に通ってる男…が
一人…確か、いたよね？』

ロマンス依存症の森園が、
ある特定の男と…ずっと長期間
関係を続けていると言うのが。

仁には引っ掛かっていた。

ロマンス依存症の人の恋は

一気に燃え上がって冷める。

もしくは手に入れた途端に飽きる。

正に、熱しやすく冷めやすい。

あくまでも…、恋愛の初期の

あの特有の高揚感を

求めて新しい刺激を求めるのが特徴だ。


だったら…、考えられる可能性は…。

その男性とは…恋愛関係ではない

何か別の要因に置いて…、

森園との関係が…維持できている可能性だ。