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第17章 『仁さんの退院と前嶋からの依頼』

「こっちは…家のご近所の奥さんです、
上の子が…こども園で同じクラスで…
主人とは…一緒に…園の役員をしています…。
それから…こっちは…、私の友人です。
彼女は未婚ですが…、子供が好きで…
うちの家にも…子供を見に
赤ちゃんの時から良くに来ていて…
子供達も…彼女には…懐いている…ので…」

『ここからは…、今こちらが
請け負って居る仕事の範疇ではない、
あくまでも個人交渉…と言う形での
お話に…なるのですが…。
奥様は…どのように…この件をお考えで？
ご主人の浮気癖…の様な物は…、
今回が…初めてでもなく、
ご両親の前で前回の浮気の際に
一種の誓約書でも
やり取りがあった様にあるのですが…。
実際の所…こんな感じです…
奥様が…離婚をお考えで、興信所で
更にご主人の…素行調査をお考えでしたら。
私の知り合いに…良い探偵事務所があるのですが…』

離婚…と言う言葉を聞いて、
向かいに座って居る美月が
その表情を曇らせる。

「……もうしない…と…言っていたのは、
全部…あの時限りの…都合のいい。
主人の嘘…だったんですね…。
子供の前では…。いい父親をしているので。
特に…主人は娘が可愛いみたいで。
娘もパパ、パパとずっと言ってるので…。
その娘と…主人を見ていると、
娘の妊娠中の事が…全部…過去の事だと…
私も…思って……違和感を感じても
…浮気を、疑わない様にしてましたので…」