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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第18章 『遊亀美月の決別と決断』
「ご依頼主の幸せ…が…
僕の幸せって事ですか?
確かに真奈美も…、
前嶋さんがしてる事は
過去との決別の為であるし、
けじめなのかもって
…そうは思うんですけど…」
『真奈美ちゃんはさ…僕が最初に
あの2人が本舗に来た時の事忘れたの?』
仁のその言葉に、真奈美が…うーんと
自分の記憶を思い返していた。
何らかの形でけじめをお二方が
つけられるお手伝いをすると、
仁さんが前嶋さんと小林さんに
言って居たのを真奈美は思い出した。
『結婚って言うのはさ…、
お互いが好きって付き合ってたとしてもさ
しようって思うかって言ったらさ。
必ずしもそうとは限らないじゃない?
前嶋さんとその元婚約者の千尋さんはさ、
結婚式の準備までしてた訳だよ。
だったらさ、そこまで思う何かが
あの2人にはあった訳でしょ?
この…森園美海によってさ、
一度引き離される事ごと…夫婦の
運命だったんだって、
今から10年後とかにさ
笑い話にでも…すればいいよ…』
カタン…と…、
真奈美がパソコンの前で
作業をしていた手を止めて。
仁の後ろに移動すると、
後ろから仁の身体に手を回して抱きしめる。
『ま、…真奈美…ちゃん…?』