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第18章 『遊亀美月の決別と決断』

「少し…時間を…下さい…、
私が…私と…向き合う為の
その為の…、…時間が欲しいです…」

『ええ、前嶋さんにも色々と
お考えも、思う所もあるでしょうから。
まだ結婚式までは時間がありますから。
ゆっくり…お気持ちを整理なさったらと…。
お返事は…、また来週の…定期報告の際にでも』

仁は夫婦円満本舗の自動ドアをくぐって
こちらに深く一礼をして去って行く
前嶋の姿を見送って。それから中に戻って来る。

「本当に…仁さんも…。お人好しと言うか
お金に…はあまり…執着しないと言うか…」

『何それ？真奈美ちゃん…、
それは僕が…
お金に対して、割に合わ
ない仕事を
してるって言いたいの？僕が…どうして
夫婦円満本舗を始めたのか……。
確かにね、
お金が原因で夫婦を続けられない
ってそんな風も居るしね、
子供が欲しいのに作れない夫婦もいるよ？
でも…さ、
お金じゃ買えないものもあるでしょ？
僕は…前嶋さんは…諦めるのは、
まだ早いかなって…思っただけだって』

仁さんの言う、諦めるのは
まだ早いって言うのは
前嶋さんの元婚約者の千尋さんは
まだ…他の男性と結婚をする前で。
千尋さんには…前嶋さんへの…
愛情がまだあって…悩んでいる感じで。