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第23章 『１１月下旬、神戸北野にて』

小学校の校舎の一部には、
沢山の木製のフレームが
取り付けられて居て。
このNATURE STUDIOのシンボル的な
そんな目立つ外観をしている。

『平日のこんな時間だから空いてるよ？』

車から降りてその建物を見てると、
仁さんが声を掛けて来て。
校舎の方へと歩いて行くので、
真奈美もその後ろを追いかけると。

その校舎の中に水族館があるみたいで、
みなとやま水族館と書かれている。

「学校に水族館があるんですか？」

『水族館って言うほどのもんじゃないよ、
ちょっと水槽があって、
気持ち程度に魚がいる位じゃない？』

入口の所で大人１２００円の
料金を支払って、のれんが
掛かっている奥に進むと。

天井からぶら下がっている
流木のオブジェにぶつかりそうになる。

仁さんが言っていた通りに、
大きな水槽はないが小さな
サイズの水槽が沢山あって。

どの水槽の前にも
座って水槽が眺められる様に
ふかふかのビーズクッションや
スツールが置かれている。

「仁さんっ、これっ、この椅子
ほら、これ、…小学校の椅子ですよ…ッ」

細長い水槽が置かれた
長いテーブルの周囲には
あの小学校のあの椅子が並べられて居た。