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第44章 第七夜　訪問者　夢

　そしてようやく私のペニスが女の口に含まれた。二つの玉を摩りながら、女は私のペニスをしゃぶる。女の舌が私のペニスに絡みつく。正に至福のとき。男でよかったと思う瞬間。
　男は勝手な生き物だ（勝手なのは女も同じかもしれないが）。この甘美なひとときが、一瞬たりとも途切れずに永遠であればと願う。
　残念なのは、私のペニスをしゃぶっている女の様子を窺えないことだ。女はどんな顔をして私のペニスを舐めているのだろうか。目に映らない女を想像してみるのもいいが、今私のペニスを舐めている女が、顔を歪めて舐めているはずがない。
　女の舌は蛇のように私の肉茎に巻き付いてくる。ときに優しく、ときに激しく、私のペニスを刺激する。こういう舐め方ができる女はおしゃぶり好きと決まっている（多分）。
　私はパラレルワールドの中で目を瞑った。快楽に心も体も委ねる。抗う必要なんて一つもない。女の舌の動きを愉しめばそれでいい。
　私の乳首が女の指で弄られ始めた。女は私のペニスを口に含んだまま、手を伸ばして私の興奮を高めようとしているのだろう。
　女の目論見どり私の興奮のボルテージは上がった。女は私を自由自在にコントロールしている。そうされることを私は望んでいる。まぁ、世の中の男なんてたいていがそうだろうと思うが。
　おしゃぶり上手な女の舌は休むことを知らない。間違いなくこういう女は男性器が好きなのだ。訂正する。大好きなのだ……と。
　舐められながら射精を我慢するのも悪くはない。ふと思った。女は男を早くいかせたいのだろうか。それとも極限まで発射を耐えて欲しいと思っているのだろうか。
　こればかりは男の完敗だと思う。男はこういう場面で演技できない。証拠が体の中から出てしまうからだ。
　女は……。
　芝居が下手なセクシー女優の「いくいく」という台詞（まさにせりふだ）ほど空しく感じるものはない。女を絶頂に導けなかった男に対しての慰めなのかと思うと、男のプライドがズタズタになる。まぁ、へたくそと罵られるも御免被るが。
　こんなことを考えるのはよくない。男がみんなセクシー男優になれるわけはないのだから。
　今考えるべきことは次の展開だ。女の手でペニスが弄られ、それから女の口の中でペニスが膨張した。大きく膨らんで硬くなったペニスの行き先を私は考えなければならない。