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千一夜
第53章 第七夜 幻界の扉
「卒業証明書か」
 香坂がぽつりとそう言った
「香坂、お前だって入庁のとき提出しただろ?」
「確かにしたわよ。でも私は長谷川と違ってK大じゃないですから。あっ。長谷川、長谷川はK大きちんと卒業しているわよね。まさか卒業証書がないとか」
「ふふふ」
 咲子が笑う。
「何がふふだよ。咲子は見たじゃないか、俺の卒業証書を」 
 私の卒業証書は実家の居間の壁に飾ってある。
「ねぇ、沢田絵里さんを追う必要なんてあるの? だってさ、長谷川はもう沢田絵里=江村さんだと思っているんでしょ? そして長谷川は、その江村さんをへんてこりんな数字を元にして探ろうとしている。私たちがやろうとしていることに意味なんてあるのかな」
「ないね。それから可能性の一つとして沢田絵里はやっぱり沢田絵里だったということもないわけではない。俺としてはそうであってほしいと思うが、おそらくそういう結果にはならないだろう」
「沢田絵里が本当に沢田絵里だったら消える必要なんかないもんね。だったら自称沢田絵里は何をしに私たちの街に来たのかしら……長谷川の昔の女とか……。あっ、咲子さんごめんなさい。そう言えば長谷川もてないもんね、咲子さん心配しないで。ふふふ」
「腹が立つけど、香坂の言う通りだ」
 もてなかったと言うのは事実。だが……。
「亮ちゃん、私なんかでいいの? 役に立つことが私にできると思わないけど」
「咲子にしかできないよ」
「どうして?」
「さっきも言ったが、咲子と沢田絵里は同じ大学出身だ。そして年齢も同じ。つまり学年も同じだよな」
「でも学科が違うわ。だから私、沢田絵里なんていう人全然知らないんだけど」
「だから咲子には沢田絵里の親友になって欲しい」
「長谷川、気は確かなの? 私たちは沢田絵里を追おうとしているのよ。そんなときに咲子さんに親友になれって変でしょ?」
 香坂の言う通りだ。
「F女学院のOGでないとこの役はやれない。大学の事務局で相手にされるのはF女学院の関係者だけ。しかしこういう世の中だ。たとえ親友だと言っても大学の事務局には相手にされない。どこでも個人情報は重要だからな。ただ……」
「……」
 咲子は私が何を言おうとしているのがわかったようだ。咲子の思っていることを香坂が代わりに言った。
「遠山の力でということね?」
「申し訳ない」
 私は咲子に頭を下げた。
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