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第10章 第10章 奈々
「 申し訳ないけど、後藤君と真紀はまだ暫く
  付き合うと思う、彼の性癖で年上の女性に
  惹かれるんでね、奈々さんが嫌いな訳では無い
  今でも愛していると彼は言ってた、」

「 そんなの、可笑しいです私を愛しているのに
  他の女性と抱き合うなんて・・可笑しいです!! 」
奈々は首を何度も振り、哀願する様に酒井の目を見てくる

「 性(さが)は・・・どうしようも無い 」
憐れむ様に見つめて来る酒井の視線を受けて奈々の顔が
また俯き 長い沈黙の後奈々が立ち上がり紺色のジャケットを
脱いだ、

「 本当に大志と元に・・・・・ 」
酒井の頷く顔を見て奈々は浴室に入って行った

浴室からシャワーを流す音が続き、部屋に静けさが戻った時
浴室のドアを開け 体にタオルを巻いた奈々が戻り
黙って布団を捲り体を横たえて、布団を頭まで被った
奈々が布団に横に成ったのを見て酒井は服を脱ぎ
浴室に向かった、シャワーを全身に浴び、昼の汚れを
洗い流し、洗面台に有った歯ブラシを持ち込み口の中も
奇麗にして浴室を出て部屋に戻ると、ベッドサイドの小さな灯りが
一つだ点けられ、二つのベッドを薄っすらと浮かばせていた
酒井は布団の盛り上がったベッドにそっと体を入れた
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