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dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第10章 Xmasは悪魔な日っ!?
「なんじゃ、優奈たちこんな遅くにどこか行くのか?」
おじいちゃんが私とシドを見た。
「裕太がうるさいから、俺の家いく。」
シドが答えると、裕太が呟いた。
「クソ姉貴の声がデカいかー」
バシンッと叩くと、睨みつけられた。
「ゆ、裕太ねー!」
「仕方ないじゃないか裕太。二人は若いからのぉ~ふはははは」
「お、おじいちゃん!!」
私は顔が真っ赤になるのがわかった。
そんなことに構わずシドに手をひかれ、はやし立てる二人を背に私たちは家を出た。
「寒っ..」
コートをきていても、真冬の夜は寒かった。
「優奈、寒いか?」
心配そうにシドに覗き込まれ、私は首を振ってぎゅっと手を握りしめた。
「大丈夫。シドの家すぐそこだし。」
「ならいい。」
私は島崎優奈。彼は神谷シド。
高校の同級生だ。
..というか最近から同級生になった。
「でも、本当に私とシド以外みんな、悪魔の話は覚えてないのね。」
私が言うと、シドが頷いた。
「おそらく元魔王と父さんが、記憶を操作したのだろう。」
「神谷くん..元気かな。」