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第5章 君とのキョリが近すぎて

「ねーえー!作ちゃん!」

「なに？」

私はベッドに寝転び、部屋で漫画を読む彼氏の髪を引っ張った。

「もう!暇～てかクリスマスだよ！」

「ん？知ってるよ。」

そういいながらクスクスと漫画を読んでいる。
私は腹が立ってバシッと頭をはたいた。

「イテっ！なにすんだよ！」

私を振り返って睨みつけられる。
ふんっ、と言って部屋を出た。

「作ちゃん最近全然構ってくれない。」

私は文句をいいながら階下に降りた。

「お母さ～ん。」

「あら智ちゃん？どうしたの？」

作ちゃんのお母さんがエプロンで手を拭きながら私を見た。

「何か手伝うことないですか～？」

「そうねぇ..今日はうちもみんな出払っちゃってクリスマスのお祝いはしないし..だから料理も普段通りなのよ～」

「そっかぁ..」

私がつぶやくと、近くにきて覗きこむ。

「良樹は？あの子何してるの？クリスマスなんだしどこか出かけたらいいじゃない。」

そういわれ、私はため息をついた。

「ずーっと漫画読んでます。」

それを聞いてお母さんも呆れたようにため息をついた。