この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
dear大切な人~クリスマスの奇跡~
第6章 サンタさんお願い
二人が顔をあげて、美里をみた。
「美里、いらなくない?」
「え?」
「美雪がいるから、ママとパパは美里いらないって....」
美里がいうと、びっくりしたような顔を見合わせた。
「そんなわけないでしょう?」
「美里は大事な宝物だよ。」
美里はぎゅって胸が苦しくなってまた抱きついた。
そのままパパにぐいっと抱き上げられて、家に入る。
すると美雪の泣き声が聞こえた。
三人で寝室に向かうと、ママが美雪を抱き上げた。
「ほらほら....お姉ちゃんがいなくなって美雪も泣いちゃったねぇ..」
そういって美里の所にきた。
美里が覗きこむと、不思議なことにピタッと泣き止んだ。
「あら?」
ママがびっくりしたように美里を見た。
美里がおそるおそる手を伸ばすと、ぎゅっと指を握る。
そして..
「笑ったぁ..」
美雪がニコッと笑った。
「ママたちが抱っこしても泣き止まないのに、美里を見るといつも泣き止むのよ。」
「美雪は美里が大好きなんだなぁ」
ママとパパが美里を見て笑った。