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フラワーアレンジメント
第1章 フラワーアレンジメント…
 ⑤

 その響子オーナーの美しさに俺は、一瞬、見とれて、いや、魅せられてしまっていた…

「え…」
 すると、そんな俺の視線を感じたのだろう、彼女が不思議そうな声を漏らしてくる。

「あ…、す、すいません…
 あまりにもお綺麗だから、つい…」
 つい、本当の、本音を漏らしてしまった。

 たが、これは、歯の浮く様なお世辞ではなく、事実の、本当の正直な想いであったから…
 意外に恥ずかしくはなかったのだ。

「あら、もぉ、和也さんお上手なのね」
 そして響子オーナー自身もそんな自負があるのだろう…
 こんな俺の言葉など、サラリと流してくる。
 
「でもねぇ、こんな商売だから、常に気を遣ってるのよ…」

 そして、そう付け加え、更に…

「和也さんもイメージ通りの人で…」
 微笑みながら囁いてきた。

「え、イメージ通りって?…」

「ほら、あれ、あのアレンジメントの…」
 飾られているアレンジメントフラワーを指差す。

「え?…」

「ほら、一見、豪華で煌びやかだけれども、お花一つ一つがなんとなく繊細なイメージに感じられて…」

「せ、繊細なイメージに?…」

「ええ、繊細…
 そして、アナタを見ると、シャイな感じが伝わってくる…」

 まさにあのアレンジメントフラワーのイメージ通りだわ…
 響子オーナーは俺を見つめながらそう囁いてきた。

 うわぁ…

 俺はドキドキと…

 ときめきを感じてしまう…

「前回のアレンジメントを見て直ぐにそう感じたのよ…
 だから、本当はね、こんなアレンジメントをコーディネートする方はどんな方のかしら?ってね、気になっちゃってね…」

 つい、お電話してしまったの…

「でも…
 まさか…」

 え、でも、まさかって?…

 響子オーナーはジィッと俺を一瞬見つめ…

「まさか…
 男性だとは思いもしなかったわ…」

 ドキンっ…

「アナタ、和也さん…素敵よ…」

 ドキンっ、ドキドキ…

 一気に心が高鳴り、いや、昂ぶってきてしまう。

 アナタ…

 和也さん…

 素敵よ…

 って…

 甘い囁き過ぎる…



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