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コンビニエンス好きな女
第1章 コンビニエンス好きな女…
 ⑬

 するとオーナーと彩ちゃんはソファに座り…

「キミは、合格ね…」
 と、言ってきた。


「え、あ、はい?…」

 だから?…

 どういう意味なんだろうか?…


「じゃあ、わたしから説明しますね…」

 すると改まった口調で、彩ちゃんが説明を始めてきたのだ…


「今日、特別条件でお部屋をお貸しするテストをすると言いましたわよね?」

「は、はい…」

「これが、テストです…
 つまり、パートナー認定のテスト…」

 え、パートナー認定って?…

「実は、お貸ししてもいいと言ったお部屋は、このお部屋の隣の2016号室なんですがぁ…」

 アソコの隠しドアで繋がっているんです…
 そう言いながら、リビングの壁にあるドアを指差してきたのだ。

「え、隠しドア?」

「はい、そうなんです…」
 すると彩ちゃんはスッと立ち上がり、その隠しドアという扉のノブを捻る。

 ガチャリ…
 ドアが開いた。

「あっ」

 本当だった…

 そのドアの向こうには、隣の部屋であろうの…
 リビングルームがあった。

「元々ね、この隣のお部屋もこの部屋も一つのお部屋として設計したんだけれどね…」

 ちょっとしたわたしの遊び心からさぁ、壁で仕切って、ドアで繋げちゃったのよ…
 オーナーはそう言ってきたのだ。

「あ、遊び心って…」

「うん、ほら、本当はこの20階は半分はわたしの部屋にしようかなって思っていたのよ」

 この20階は2011号室から始まって2016号室まで…
 つまり6部屋の区分けになっている。

 そして本当はその半分を占有しようと思っていたというのだ…

 だが、彼女は、このマンションのオーナーなのである、賃料収入という収支の採算を無視できるならば、設計は自由自在の筈なのだ。

 あ、と、いうことは?…

「だからもちろん、その隣の2014号室も、隠しドアで繋がってるわよ」
 オーナーは笑みを浮かべ、そう言ってくる。

「あ、その2014号室はこの彩ちゃんが、パートナーとして住んでいるわ」

「パートナー…」

「そう、パートナーね…」

 セフレではなく、セックスパートナーとしてね…
 オーナーはそう言ってきた。

「セックスパートナー…」

 そう彼氏、彼女では無く、セフレともまた違う関係…

 僕はその意味が分かるような、分からないような…



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