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コンビニエンス好きな女
第1章 コンビニエンス好きな女…
 ⑮

「あと、このマンションのテナント全部の…」

 美容室兼エステサロン…

 歯医者…

 24時間スポーツジム…

「それらの店舗全てオーナーであり、それらの店長の皆さんも、オーナーのパートナーなんです…」

「うわ、そ、そうなんですかぁ」

 全部のテナントのオーナーで…

 そしてパートナーって…

 僕は驚いてしまう。



「うん、そうなのよ…」
 そしてオーナーは驚きの言葉を言ってきたのだ。

 だってぇ…

 美容室もぉ…

 エステサロンもぉ…

 歯医者もぉ…

 スポーツジムもぉ…

 みんながこのマンションにあればぁ…

 わたしが…

 ううん、わたしにとって…

 チョー便利じゃなぁい…

 それにさぁ…

 美容室の店長はさぁ、昔のわたしのレズビアン相手だったしさぁ…

 歯医者は学生時代の元カレだし…

 スポーツジムのトレーナーもさぁ、元々は違うジム時代からの…
 色々な意味でのわたしの担当トレーナーだったからさぁ、店長にしてあげたのよ…

 みんなそれぞれ、様々だしさぁ…

「みんな、それぞれ…」

 確かにみんなそれぞれ、様々なセックスをするのであろう…

「だから、このマンションを建てる時にみんなを連れてきたのよ…」 
 オーナーは満面の笑みを浮かべながらそう言った。

「そうすればこのマンションの存在自体がさぁ…」

 わたしにとっての…
 コンビニエンス、つまり、便利な存在になるじゃない…

「あ、今度空いていたテナントにね、イタリアンレストランを入れるのよ…」
 

 うわぁ、なんて凄い発想、考え方なんだ…
 本当に驚いてしまう。


 だけど、一つだけ、僕には気になることが…
 いや、どうしてもこだわってしまう事があったのだ。


「あ、あのぉ…」
 だから、思い切って問うてみる。

「なぁに?」

「あの、コンビニのフリーターの先輩は?…」

 テストをしたのか?…と。

 すると…

「あぁ、彼ね、彼はタイプじゃないから」
 と、オーナーは冷たく言い放ったのだ。

「あんな、フリーターなんて…」

 彩ちゃんもそう言ってきた…






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