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僕の妹~千尋~
第2章 初対面
毎年、桜の開花が早まっているような気がする。
今朝もテレビのニュースでそんなことを言っていた。
僕の部屋にもそんな春がやってきた。
春独特の花の香りが窓を開けると漂ってくる。
沈丁花の香りだ。
この香りは春の香りだとも言える。
僕と千尋が初めて会った時もこの沈丁花の香りがしていた。
今日、千尋は母、裕美の実家がある横浜市保土ヶ谷に来ていた。
今は殆どの商店街がシャッター通りになってしまっているが、僕が子供の頃はこの商店街もとても賑やかだった。
母の実家は山の中腹辺りに建っていた。
ちょっと急な石の階段を上ってゆく。
その階段を上ると何軒もの家が並んでいる。
その中の白い壁をした一軒家が母の実家だった。
僕は、「山際」と書かれたその家のインターホンを押した。
すると、女性の声が聞こえてくる。
「はい、どちらさまですか」
「拓海ですが…」
「あぁ、拓海くん、入って頂戴」
「わかりました」
僕はそう言うとその一軒家の引き戸を引いた。
ガラガラと引き戸の音がして扉が開いた。
今朝もテレビのニュースでそんなことを言っていた。
僕の部屋にもそんな春がやってきた。
春独特の花の香りが窓を開けると漂ってくる。
沈丁花の香りだ。
この香りは春の香りだとも言える。
僕と千尋が初めて会った時もこの沈丁花の香りがしていた。
今日、千尋は母、裕美の実家がある横浜市保土ヶ谷に来ていた。
今は殆どの商店街がシャッター通りになってしまっているが、僕が子供の頃はこの商店街もとても賑やかだった。
母の実家は山の中腹辺りに建っていた。
ちょっと急な石の階段を上ってゆく。
その階段を上ると何軒もの家が並んでいる。
その中の白い壁をした一軒家が母の実家だった。
僕は、「山際」と書かれたその家のインターホンを押した。
すると、女性の声が聞こえてくる。
「はい、どちらさまですか」
「拓海ですが…」
「あぁ、拓海くん、入って頂戴」
「わかりました」
僕はそう言うとその一軒家の引き戸を引いた。
ガラガラと引き戸の音がして扉が開いた。