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僕の妹~千尋~
第10章 千尋
「どう、違うんだよ?家族だろう?」
「家族だけど、お兄ちゃんはお兄ちゃんじゃないから…」
僕は、千尋が話している意味が分からなかった。
お兄ちゃんだけどお兄ちゃんじゃないってどういう意味だろう、と僕は思った。
僕は意を決して千尋に聞いてみた。
「ぼ、僕は、ち、千尋の事が、す、好きなんだけど…」
「え?私も、お兄ちゃんの事は好きよ…」
千尋はそういうと食器を洗う手を止めて僕の顔を見た。
僕は食器とふきんを一緒に持ったまま千尋の顔を見た。
そして、千尋は背伸びをして僕の唇に軽く唇を重ねてきたのだ。
そのキスはフレンチキスの様だった。
一瞬の出来事だったので僕は驚いてしまった。
驚いて僕は持っていた食器を床に落としてしまった。
「ガチャリ」という音がして床に食器の破片が散らばった。
僕は、その場に立ちすくんでしまった。
「お兄ちゃん、大丈夫?しようがないわねぇ…」
そう言うと千尋は床に散らばった食器の破片を拾い始めた。
僕は、危ないと思い一緒にかがんで破片を拾い始める。
僕たちは破片を拾っている時に目が合った。
その時だ。
「痛いっ!!」
千尋が食器の破片で指を切った様だった。
僕はすかさず、千尋の人差し指を自分の口の中に入れた。