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ソルティビッチ
第1章 ソルティビッチ…
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 当時はバスケットコーチングはまだしておらず、2度目のガン罹患によるリハビリ代わりにとスポーツジム通いを始め…
 その時インストラクターに口説かれた事がきっかけとなって、未だに関係を続けているのだ。


 だが、そのインストラクターの男とは多くても月に一度程度であり、わたしにとっては…

 可も無く不可も無く的な男といえ…

 清潔…

 安心…

 しつこくない…
 等の最低三条件が整っている男であった。

 そして肝心のセックス面でも…

 丁寧…
 
 優しく…

 そして舐めワザが上手…

 これもまた最低条件をクリアしているレベルではあったのだが…

 特に、手術跡の自律神経の疼きの解消には、最低限必要な存在といえたのである。

 だが…

 この前の、駿くんという存在感を知ってしまったせいなのか、いや、駿くんのせいで…

 このスポーツジムインストラクターの男が、物足りなく…

 全く満たされなく…

 癒やされなく…

 自律神経の疼きが治まらなく…

 いや、あの夜に限っては治まらなかったのだ…
 そしていつもの必要最低限の保険的な役割を全く為さなかったのである。

 それは全て駿くんのせい…

 あの駿くんの、仔イヌの様に油断させ、いきなり隠していた牙を剥くハウンドドッグの様な衝撃と…
 らしからなかった、あのサイズに。

 そして彩ちゃんに至っては、カラダだけではなく、心の奥深くまで射抜かれ、狂わされてしまった…
 マッドドッグの如くの強烈さに。

 わたしと彩ちゃんはすっかり魅入られてしまっていたのであったのだ。

 だから、連絡が取れない事は…

 本当に残念であり…

 お互いに落胆してしまっていた…





 
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