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ソルティビッチ
第1章 ソルティビッチ…
 57

「あっ、っんっんん」
 ブラウスを一気に引き下ろし、両手を後ろ手に絡ませてきた。

 そして両手の自由は効かなくなり、まるで後ろ手に拘束されたカタチとなり…
 それはこの前、わたしが駿にした事と同じであった。

「あっ、んっ」

 しまった、油断していた…

 ここまでがこの前と同じ様な流れだったんだから予想できたのに…

「あらら、動けなくなっちゃったわね」

 そしてそう囁いてくる駿の、いや、葵の目は…

 まさに猟犬の…
 ハウンドドッグのエスの目であったのだ。

 この前の駿は、どちらといえば、いや、ほとんどがわたしと彩ちゃんの言葉に従っていたエム的な感じではあった…

 ただ、駿のらしからぬサイズのチンポが凶暴なだけであって…
 わたしと彩ちゃんの二人の心とカラダを魅了してきただけだったのだ。

 そして基本的にエス的な彩ちゃんと、男に対してはやはりエス的になるわたしとの二人の女、いや、ビッチなメス犬の勢いが強かったから…
 駿の潜んでいた、秘かなこのエス的な、猟犬、ハウンドドッグのこの目がうまく隠れていたのだと思われる。

 しかし、これが…

 駿の…

 いや、女性になった葵のこの目が…

 この姿が…

 本当の姿なのかもしれない。

 そのくらいにこの駿の、いや、葵の女性としての姿が…

 すっきりと、自然に、ハマっているのだ。

 だから、さっきのナンパしたというカクテルを浴びせられた男は、あんな至近距離でも、葵の女装が見抜けなかったのかもしれない…

 そしてこの駿、いや、女性としての葵の…

 このエス的な目に…

 女性に対してはエム的思考と気質に陥ってしまうわたしは…

 ゾクゾクと心が震え…

 魅了されてしまっていた…


「ふ、変態の悠里ぃ…」

 悔しいけど、綺麗だわ…

「あぁぁ…」

 その褒め言葉の囁きに、心が震え、濡れて…
 いや、垂れるほどに濡らし、昂ぶらせ、疼かせてしまう。

「ね、ねぇ、どうされたいの?」

 ううん、どうして欲しいのぉ?…

 そして、完全な女の駿、いや、葵は…

 猟犬、ハウンドドッグであり…

 淫靡で妖しいメス犬のビッチでもあった…

 わたしはすっかり、そんな葵に心から魅了され…

 魅かれてしまう…



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