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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第4章 序章~最初の「死」~

もとより、雪鈴も上流両班家に生まれたからには、誰もが辿る宿命を受け容れていた。一体、顔も見たことのない良人はどんなひとなのか? 嫁ぐ期待より大きな不安を抱え、生まれ故郷の南方の町を旅立ち、何日もかけて嫁いだ。
婚家は北の小さな町で、もう何代も前から続いてきた名家であった。良人は十六の雪鈴より五歳年上で、優しい面立ちの貴公子だった。絶世の美男子というわけではないけれど、ほどほどに整った造作で、細やかな気配りもできる人だ。
婚家は北の小さな町で、もう何代も前から続いてきた名家であった。良人は十六の雪鈴より五歳年上で、優しい面立ちの貴公子だった。絶世の美男子というわけではないけれど、ほどほどに整った造作で、細やかな気配りもできる人だ。

