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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第22章 【夢の途中】(後編)
 もちろん、毎日、当番の女官たちによって掃除され空気の入れ換えもされているはずだが、やはり主人を失った無人の殿舎はうらぶれた雰囲気が漂う。壮麗なだけに余計に物寂しさが増していた。
 銀蝶は何故、我が身を交泰殿に導いたのか。王の寵愛を受けているとはいえ、いまだ正式な側室でさえない自分が王妃になるなど夢のまた夢、想定外だ。
 やはり、あの蝶が運命を告げるというのは雪鈴の考え過ぎにすぎなかった。それでも、たった今、コンとの辛すぎる再会を経たばかりの身には、あの美しくも儚い蝶を見られたのはせめてもの心の救いとなったのは確かだ。
 雪鈴はなおも銀蝶が消えた方を名残惜しげに見つめていた。
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