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第6章 蝶のいざない

　彼が思案げに言った。



「そなたを見つけた時、袖に仕舞っていたのだ。身投げをするときまで肌身離さず持っていたなら、大切なものに違いないと思った」



　ややあって、少し言いにくそうに言う。



「これと一緒に、紙らしいものも見つかったのだが、生憎と長時間、水に浸かったせいで袖から取り出すときに破れてしまった。何やら字が書かれていたようだ」