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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第6章 蝶のいざない
「構わない。ゆっくり寝ていろ。長話をして済まなかった」
静かに両開きの扉が閉まる。雪鈴は男が去り際、渡してくれた白兎を無意識に握りしめた。
あの男は何らかの事情があって、雪鈴が入水したのだろうと考えているようだ。確かに大体においては間違いではなかった。
身許についてしつこく詮索もしないし、恐らく崔家に知らせてもいないだろう。確かな根拠もないのに、あの男は信頼できる人だという確信があった。