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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第37章 秋桜(コスモス)の夢
 賛もまた涙声で応えた。



「すべて承知している」



 桂花が薄紅色の唇を戦慄かせた。



「それなのに、何故、私なのですか」



 応えは単純明快だ。賛は彼の漆黒の瞳を見つめながら言った。



「昌が昌だからだ」




 え、と、眼をまたたかせる桂花。賛はひと息に言った。
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