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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第6章 蝶のいざない

若く美しい娘を女好きの王族がかどわかし、屋敷に連れ込んでいたー。妙に穿った憶測をし、面白おかしく尾ひれをつけて広める輩がいないとも限らない。
確かに、乳母の心配は一理ある。しかし、今、あの娘に話したくもないことを話させたくはない。話したくないほどのことは、多分、思い出したくもないことに違いない。
ー心配している家族なんて、誰もいません。むしろ、私が死ねば良いと皆が思っています。
娘のあの悲痛なひと言がまた耳奥で蘇った。
確かに、乳母の心配は一理ある。しかし、今、あの娘に話したくもないことを話させたくはない。話したくないほどのことは、多分、思い出したくもないことに違いない。
ー心配している家族なんて、誰もいません。むしろ、私が死ねば良いと皆が思っています。
娘のあの悲痛なひと言がまた耳奥で蘇った。

