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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い

その後、賛と桂花の姿を都で見た者はいない。直祖の第一王子、李賛は流行病(はやりやまい)により十七歳で夭折と王朝史には記された。また、新婚半年の世子嬪も良人の世子を甲斐甲斐しく看病の最中、同じ病に感染して倒れ、あえなく落命したと歴史は語る。世子嬪も同様に十七歳であった。
李賛は〝静懐世子〟と諡された。
賛と桂花が歴史の表舞台から姿を消して以降、どのような人生を送ったのかは不明である。
いつの世も、時代の波は人の思惑など一瞬で飲み込み、知らぬげに音を立てて流れてゆく。

