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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い

「これは、どういうことなの?」
振り向かずに問えば、忠実な彼は何も応えない。馬尚宮が声を張り上げた。
「中殿さまがお訊ねになっている。応えよ」
王妃は手を上げて馬尚宮を止めた。
ホ内官の顔色は今や蒼白だが、口許は固い決意を示すかのように引き結ばれている。たとえ拷問されとて、息子にどこまでも忠実なこの男は口を割るまい。
王妃は改めてガランとした室内を見回す。中央の上座には積み上げた書物を描いた屏風、その前に世子が愛用している文机が置かれていた。
振り向かずに問えば、忠実な彼は何も応えない。馬尚宮が声を張り上げた。
「中殿さまがお訊ねになっている。応えよ」
王妃は手を上げて馬尚宮を止めた。
ホ内官の顔色は今や蒼白だが、口許は固い決意を示すかのように引き結ばれている。たとえ拷問されとて、息子にどこまでも忠実なこの男は口を割るまい。
王妃は改めてガランとした室内を見回す。中央の上座には積み上げた書物を描いた屏風、その前に世子が愛用している文机が置かれていた。

