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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い

室に填め込まれた八角形の障子窓を通して、透明な朝陽が差し込んでいる。いつしか夜が明けたのだ。
冬とは違い力強さを感じさせる陽光が王妃の美しい横顔を照らしている。王妃の頬をひと筋の涙が流れ落ちた。
王妃は息子の残した手紙を丁寧に折りたたみ袖にしまうと、室の外に出た。
控えの間では、ホン内官が相変わらず決死の覚悟を滲ませた表情で立っている。
王妃を認めたホン内官がいきなりその場に手をつかえた。
「どうか私を殺して下さい、中殿さま」
王妃は静謐な声音で問うた。
「何故、そなたを殺さねばならないのですか」
冬とは違い力強さを感じさせる陽光が王妃の美しい横顔を照らしている。王妃の頬をひと筋の涙が流れ落ちた。
王妃は息子の残した手紙を丁寧に折りたたみ袖にしまうと、室の外に出た。
控えの間では、ホン内官が相変わらず決死の覚悟を滲ませた表情で立っている。
王妃を認めたホン内官がいきなりその場に手をつかえた。
「どうか私を殺して下さい、中殿さま」
王妃は静謐な声音で問うた。
「何故、そなたを殺さねばならないのですか」

