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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い
つがいの蝶だったのか、とても仲睦まじげに見えた。願わくば、姿を消した若い二人があのつがいの蝶たちのように、いつまでも離れることなく幸せであれば良いと願わずにはいられない。
ーまた、逢える日まで。
胸の中で呟いた。たとえ二度と逢うことが叶わない我が子でも、生きていれば、いつかきっと、どこかで再び逢えると信じたかった。
中宮殿の居室に戻った時、屏風にはいつもと変わらず、金木犀と銀木犀が咲き乱れ、美しい銀蝶が二羽、花に戯れかけるように飛んでいた。当たり前だが、そっと指で触れても、絵の中の蝶はそよと動きもしなかった。
朝鮮王朝の歴代王妃の中でも、二代の王に仕えるという数奇な経歴を持ち、慈悲深さと徳の高さで知られる孝慧王后、この時、三十五歳になろうとしていた。
【後編・了】
ーまた、逢える日まで。
胸の中で呟いた。たとえ二度と逢うことが叶わない我が子でも、生きていれば、いつかきっと、どこかで再び逢えると信じたかった。
中宮殿の居室に戻った時、屏風にはいつもと変わらず、金木犀と銀木犀が咲き乱れ、美しい銀蝶が二羽、花に戯れかけるように飛んでいた。当たり前だが、そっと指で触れても、絵の中の蝶はそよと動きもしなかった。
朝鮮王朝の歴代王妃の中でも、二代の王に仕えるという数奇な経歴を持ち、慈悲深さと徳の高さで知られる孝慧王后、この時、三十五歳になろうとしていた。
【後編・了】