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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
声の主はサンチョム爺さんだった。下男サンチョムはもうこの家(や)の主人が童の砌には〝爺さん〟と呼ばれる歳であったという。見た目は七十そこそこに見えるが、主人崔ギルソンはもう四十を幾つか過ぎる歳格好だから、ギルソンが子どもの頃に年寄りであったなら、サンチョムは軽く百歳は越えているはずだ。
一体、サンチョムの真の年齢は幾つなのか、知る者は誰も居なかった。ただ、若くとも何故か、実年齢より老けて見える者はままあるものだ。恐らくサンチョムは〝爺さん〟と呼ばれ始めた頃はまださほどの歳ではなく、今の彼の見た目の年齢はほぼ実年齢と変わらないのではないかとボクス自身は考えている。
一体、サンチョムの真の年齢は幾つなのか、知る者は誰も居なかった。ただ、若くとも何故か、実年齢より老けて見える者はままあるものだ。恐らくサンチョムは〝爺さん〟と呼ばれ始めた頃はまださほどの歳ではなく、今の彼の見た目の年齢はほぼ実年齢と変わらないのではないかとボクス自身は考えている。