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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
ケトンが七歳になった春、医者は
ーこれでもう大丈夫。
と健やかに育ったケトンの健康状態に太鼓判を押し、ギルソンから多額の金子を報酬として得て都市に帰っていった。
実際、ケトンにその名前は皮肉なほどふさわしくなかった。彼女はとても美しい。なめらかな白皙はこの町に降り積もる雪のようだし、冴え冴えと煌めく双眸はわずかに潤み、対する者の心を絡め取るようだ。形の良い小さな唇はこの季節に咲く桜花のようだし、男なら知らず手を伸ばして触れたくなる可憐さだ。
ーこれでもう大丈夫。
と健やかに育ったケトンの健康状態に太鼓判を押し、ギルソンから多額の金子を報酬として得て都市に帰っていった。
実際、ケトンにその名前は皮肉なほどふさわしくなかった。彼女はとても美しい。なめらかな白皙はこの町に降り積もる雪のようだし、冴え冴えと煌めく双眸はわずかに潤み、対する者の心を絡め取るようだ。形の良い小さな唇はこの季節に咲く桜花のようだし、男なら知らず手を伸ばして触れたくなる可憐さだ。