この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
遠く離れた都市(まち)から腕利きの小児科医を大枚を叩いて招き、頑是ない娘の治療に当たらせた。その甲斐あってか、幼い娘は一命を取り留めて今日に至る。が、娘は身体が弱く、何度も生命の危機に瀕した。そのため、招かれた医者は娘が七歳になるまでは、崔家の特別な客人としてこの邸に滞在して娘専属の掛かりつけ医であったという。
ギルソンは何としてでも妻の残した娘を救いたかった。そのため、〝一度、捨てた児は元気に育つ〟という迷信を信じて、ケトンと名付けた。犬の糞のように捨てられて、また拾ったという意味合いが込められている。娘の珍妙な名もひとえに深い親心があった。
ギルソンは何としてでも妻の残した娘を救いたかった。そのため、〝一度、捨てた児は元気に育つ〟という迷信を信じて、ケトンと名付けた。犬の糞のように捨てられて、また拾ったという意味合いが込められている。娘の珍妙な名もひとえに深い親心があった。