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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
そこには無数の蕾をつけた手鞠桜が立っている。今、最初の一輪がやっと開いたかというところだ。満開になれば、さぞや見事な眺めに相違なかろう。わざわざ花見とやらにゆかずとも、ここで存分に花見を愉しめるはずだ。
やっとボクスが反応したのが嬉しかったのか、ケトンが声を弾ませる。
「うちの桜はいっとう見事なのよ。近隣のお年寄り連中がここで花見をさせて欲しいって頼みにくるんだから。あなたはこの桜が咲くのを見るのは初めてでしょう?」
やっとボクスが反応したのが嬉しかったのか、ケトンが声を弾ませる。
「うちの桜はいっとう見事なのよ。近隣のお年寄り連中がここで花見をさせて欲しいって頼みにくるんだから。あなたはこの桜が咲くのを見るのは初めてでしょう?」