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第43章 傷痕

　従って、母が三度の食事も洗濯もこなし、ミスは大きな腹を抱えて日がな家でふて腐れたように寝ているだけだ。この頃、母が内緒で言った。




ーミスの腹にやや子さえいなければ、あんな横着者の嫁なんざ、さっさと追い出してやるのに。



　母は憤懣やる方ないようだった。流石に、ボクスも妻の態度には我慢の限界が来ていた。



ー何不自由なく育ったお前には意に沿わぬことも多かろうが、縁があって家族になったんだ。お袋も歳だし、あまり無理ばかりさせたくない。お前も飯の支度くらいはしてくれ。