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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
出産後一ヶ月、ミスの姿がまた消えた。赤児が生まれてからも、ろくすっぽ我が子の世話もしないような女だった。乳だけは豊かに湧き出るため、仕方なく与えてやっていたけれど、襁褓も代えない。そのため、母が襁褓を換え、泣き喚く赤児をあやしていた。
懸命に赤児を宥める母、平然としているミスを見ながら、これでは母は女王に仕えている飯炊き女のようだとほろ苦く思った。
ミスが行くとすれば、隣町の実家以外にない。ボクスは意を決して隣町の商館を訪ねた。彼女の父は凄腕の商人である。
実は、ボクスは義父に会ったことはない。祝言にさえ出席はせず、孫が生まれたと知らせても、返事一つなかった。
懸命に赤児を宥める母、平然としているミスを見ながら、これでは母は女王に仕えている飯炊き女のようだとほろ苦く思った。
ミスが行くとすれば、隣町の実家以外にない。ボクスは意を決して隣町の商館を訪ねた。彼女の父は凄腕の商人である。
実は、ボクスは義父に会ったことはない。祝言にさえ出席はせず、孫が生まれたと知らせても、返事一つなかった。