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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
我ながら、よくぞ落ち着いた声が出せたものだと、ボクスは自分を褒めてやりたいほどだった。彼は唖然としているミスと男を残し、後ろ手で扉を閉めた。振り返りたくもなかった。
それにしても、たいした女だと思った。自分はあの女のどこを何を見ていたのだろう。それとも、清らかな心をしたミスを男として不甲斐ない自分があのように堕落させてしまったのか。
村までの道程(みちのり)を歩きながら、彼は泣いていた。後にミスがしでかしたことの全貌が知れた。噂というものは聞きたくなくとも、自ずと耳に入ってくるものだ。更には、聞きたくないような醜聞(スキヤンダル)をわざわざ知らせるお節介もこの世にはごまんといる。
それにしても、たいした女だと思った。自分はあの女のどこを何を見ていたのだろう。それとも、清らかな心をしたミスを男として不甲斐ない自分があのように堕落させてしまったのか。
村までの道程(みちのり)を歩きながら、彼は泣いていた。後にミスがしでかしたことの全貌が知れた。噂というものは聞きたくなくとも、自ずと耳に入ってくるものだ。更には、聞きたくないような醜聞(スキヤンダル)をわざわざ知らせるお節介もこの世にはごまんといる。