この作品は18歳未満閲覧禁止です
後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
ソンシルが疲れ果てた様子で入り口に立っていた。背中には赤児が括り付けられている。
母はよろめくように家に入り、ぺたんと座り込むや顔を覆った。
「母さん、一体、何があったんだ。泣いてちゃ判らないよ」
母を問い詰める気は毛頭なかったが、気丈な母が糸が切れたように泣きじゃくるのは尋常ではない。母をここまで追い詰める何かがあったのだ。
ソンシルは嗚咽の合間に途切れ途切れに言った。
「ミスに会いにいったんだ」