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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
取り付く島もなく、ミスが呼んだ女中に半ば追い立てられ、ソンシルは邸を出た。
ミスはついに幼い娘を抱くどころか、一度として顔を見ることはなかった。元気なのかと問うことすらなかったのだ。
ソンシルは望陀の涙を流しながら言った。
「あんまりじゃないか。獣でさえ、自分が腹を痛めて産んだ子は慈しむという。なのに、うちの嫁はセシルを一度として抱いてやろうともしなかった」
突如、ボクスが怒鳴った。
「お袋、良い加減にしろよ。あの女はもう、うちの嫁じゃないんだ」
ミスはついに幼い娘を抱くどころか、一度として顔を見ることはなかった。元気なのかと問うことすらなかったのだ。
ソンシルは望陀の涙を流しながら言った。
「あんまりじゃないか。獣でさえ、自分が腹を痛めて産んだ子は慈しむという。なのに、うちの嫁はセシルを一度として抱いてやろうともしなかった」
突如、ボクスが怒鳴った。
「お袋、良い加減にしろよ。あの女はもう、うちの嫁じゃないんだ」