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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
ソンシルの心づくしの料理が並び、安物だが酒まで用意されていた。セシルは十ヶ月を過ぎた頃からもう歩き出しており、眼が離せない。女の子らしく、口も達者で早くも〝ばば、とと〟と祖母やボクスを呼ぶようになっていた。笑うと右頬に片えくぼができ、左目の下に小さな泣きぼくろがあり、愛らしい顔をして笑う。
ボクスが朝、漁に出るときも無心に後を追うのをソンシルが何とか抱っこして宥めるほど父親っ子になっていた。
ソンシルが嬉しげに言った。
「色々あったけど、セシルも元気に育ったし、これで言うことはないさね、ボクス」
ボクスが朝、漁に出るときも無心に後を追うのをソンシルが何とか抱っこして宥めるほど父親っ子になっていた。
ソンシルが嬉しげに言った。
「色々あったけど、セシルも元気に育ったし、これで言うことはないさね、ボクス」