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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕

ボクスが次に気付いた時、彼は清潔な布団に寝かされていた。けして広い室ではないけれど、掃除もゆき届き、簡素な箪笥まで置かれている。
ーここは、どこだ?
ボクスの中で警戒心が漲り、彼は掛け布団をはね飛ばす勢いで飛び起きた。
「良かった、気がついたんですね。倒れて丸一日眼を覚まさずに眠っていたものだから」
女の声が聞こえ、ボクスは呆気に取られて声の主を見る。件(くだん)の令嬢であった。ボクスが路地裏で救出した娘だ。
「あんたが俺をここに?」
低い声で訊ねるのに、娘はコクコクと頷いた。
「眼の前で急に倒れてしまったので」
ーここは、どこだ?
ボクスの中で警戒心が漲り、彼は掛け布団をはね飛ばす勢いで飛び起きた。
「良かった、気がついたんですね。倒れて丸一日眼を覚まさずに眠っていたものだから」
女の声が聞こえ、ボクスは呆気に取られて声の主を見る。件(くだん)の令嬢であった。ボクスが路地裏で救出した娘だ。
「あんたが俺をここに?」
低い声で訊ねるのに、娘はコクコクと頷いた。
「眼の前で急に倒れてしまったので」

