この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕

とりあえず、人を呼び運び込んだのだという。医者にも診せたが、どこにも悪いところはなく至って健康そのもので、倒れたのは空腹のせいだと言われたそうだ。
ボクスは穴があれば入りたい心境だ。こんな美女の前で空きっ腹が原因で眼を回して失神するとは。せめて格好良く無頼の輩から助けたところで、風のように颯爽と消えたかったものである。
だが、それより先にまずはー。
「ー飯」
ボクスの呟きに、娘が眼を瞠った。この際、恥ずかしいなんて言ってられない。
「飯を食わせてくれないか」
ボクスが重ねて言うと、娘はまた幾度も頷いた。
ボクスは穴があれば入りたい心境だ。こんな美女の前で空きっ腹が原因で眼を回して失神するとは。せめて格好良く無頼の輩から助けたところで、風のように颯爽と消えたかったものである。
だが、それより先にまずはー。
「ー飯」
ボクスの呟きに、娘が眼を瞠った。この際、恥ずかしいなんて言ってられない。
「飯を食わせてくれないか」
ボクスが重ねて言うと、娘はまた幾度も頷いた。

