この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕
粥はすぐに平らげ、空の器を突き出せば、娘が甲斐甲斐しくよそってくれる。運んできた鍋は直に空になり、魚の煮付けも青菜も汁物もまたたくまに消えていった。
娘はそんなボクスをにこにこと眺めている。すべてを平らげて満腹になった時点で、ボクスは我に返った。初対面に近い相手の前で、いささか、がっつき過ぎではなかったろうか。
「ー助かった」
不器用すぎる彼は、まともに礼さえ言えない。更に相手が妙齢の美人とくれば、余計に口は石を飲み込んだように重くなる。
それでも、やっとのことで礼とも言えない礼を言うと、娘は微笑んだ。
「お代わりは幾らでもありますから、遠慮無く言ってくださいね?」
娘はそんなボクスをにこにこと眺めている。すべてを平らげて満腹になった時点で、ボクスは我に返った。初対面に近い相手の前で、いささか、がっつき過ぎではなかったろうか。
「ー助かった」
不器用すぎる彼は、まともに礼さえ言えない。更に相手が妙齢の美人とくれば、余計に口は石を飲み込んだように重くなる。
それでも、やっとのことで礼とも言えない礼を言うと、娘は微笑んだ。
「お代わりは幾らでもありますから、遠慮無く言ってくださいね?」