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第45章 新たな日々

　ボクスは、まさに眼からウロコであった。もちろん、良い意味で予測は外れたのだ。ボクスはずっとギルソンの側についていたから、県監とギルソンの話も必然的に聞くことになる。彼らは定期的に巡回しては、子どもたちに清潔かつ住みよい環境がもたらされているかを見ているのだ。




　ギルソンをひとめ見るなり、子どもたちが歓声を上げて駆け寄ってきて、ギルソンは彼らを嬉しげに眺め、慣れた様子で言葉を交わしていた。彼が孤児たちに慕われているのもよく判った。




　県監とは孤児院の前で別れた。ギルソンは再び輿の上の人となり、ボクスはその場につき従う。