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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第45章 新たな日々
輿は人気の無い閑静なお屋敷町に差し掛かった。ここら辺りは地方在住の土豪の両班の棲まいが圧倒的に多い。
大きな声で口にはできないけれど、これらの屋敷より、ギルソンの暮らす屋敷の方がよほど立派だ。屋敷は適度な距離を置いて並んでおり、門前の道は整備されてはいるものの、人通りはない。どの屋敷にも人が住んでいるはずなのに、無人の世界のようで薄気味悪い。
早くこんな不気味なところは通り抜けたいとボクスが小さく溜息をついたのと、眼前を鋭いものが通り過ぎたのはほぼ時を同じくしていた。
瞬時に身体が動いたのは、本能だったのか。彼は素早く動き、ギルソンを庇うように自ら楯となった。
大きな声で口にはできないけれど、これらの屋敷より、ギルソンの暮らす屋敷の方がよほど立派だ。屋敷は適度な距離を置いて並んでおり、門前の道は整備されてはいるものの、人通りはない。どの屋敷にも人が住んでいるはずなのに、無人の世界のようで薄気味悪い。
早くこんな不気味なところは通り抜けたいとボクスが小さく溜息をついたのと、眼前を鋭いものが通り過ぎたのはほぼ時を同じくしていた。
瞬時に身体が動いたのは、本能だったのか。彼は素早く動き、ギルソンを庇うように自ら楯となった。