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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第45章 新たな日々
その言葉に何故か胸をつかれた。いかにも控えめで優しいケトンらしい考え方だと思えた。心優しいケトンに自分は老母と赤児の娘を捨てたのだと告げれば、ケトンは哀しむだろうか。
いいや、哀しむ前に見下げ果てたヤツだと蔑まれるだろう。
もう二度と初夏の花のように眩しい笑顔を見せてくれることもないはずだ。
俺は本当にいつか、彼女にすべてを打ち明けられるだろうか。
すべてが終わっても、ケトンはまだ唇を固く噛みしめ、泣きそうな表情をしていた。
ボクスは堪らず言った。
「これじゃ、まるで俺がお嬢さまを泣かせているようだ」
いいや、哀しむ前に見下げ果てたヤツだと蔑まれるだろう。
もう二度と初夏の花のように眩しい笑顔を見せてくれることもないはずだ。
俺は本当にいつか、彼女にすべてを打ち明けられるだろうか。
すべてが終わっても、ケトンはまだ唇を固く噛みしめ、泣きそうな表情をしていた。
ボクスは堪らず言った。
「これじゃ、まるで俺がお嬢さまを泣かせているようだ」