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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第45章 新たな日々
ケトンがつと顔を上げてボクスを見た。
「私が怒っているのは、あなたが怪我をしたからではないわ。あなたがあまりにも自分を粗末にしすぎるから」
「ーそれは、どういう意味ですか」
今まで、そんなことを言われたことはなかった。ケトンはまだ可愛い顔に辛そうな表情を浮かべたまま言った。
「あなたが自分を大切にしないという意味よ」
ボクスはケトンの言葉を繰り返す。
「俺が自分を大切にしないということですか」
ケトンはすかさず頷いた。
「その通りよ」
彼女はなおもうつむいていたが、やがて意を決したように彼を見つめた。
「お父さまを助けてくれたと聞いたわ。本当にありがとう。何とお礼を言ったら良いか。あなたには助けて戴いてばかりね」
「私が怒っているのは、あなたが怪我をしたからではないわ。あなたがあまりにも自分を粗末にしすぎるから」
「ーそれは、どういう意味ですか」
今まで、そんなことを言われたことはなかった。ケトンはまだ可愛い顔に辛そうな表情を浮かべたまま言った。
「あなたが自分を大切にしないという意味よ」
ボクスはケトンの言葉を繰り返す。
「俺が自分を大切にしないということですか」
ケトンはすかさず頷いた。
「その通りよ」
彼女はなおもうつむいていたが、やがて意を決したように彼を見つめた。
「お父さまを助けてくれたと聞いたわ。本当にありがとう。何とお礼を言ったら良いか。あなたには助けて戴いてばかりね」